おすぎが「ラスト、あなたは涙で立ち上がれない。」ってコメントを寄せていました。
「またまたー、おすぎよ、そりゃいくらなんでも言い過ぎだぜ。」 って思ってました。 おすぎごめん。 あたしマジで立てなかったわ。 『麦の穂をゆらす風』は、アイルランドのイギリスからの独立戦争とその後の内戦を描いた作品です。 アイルランドは20世紀初頭までイギリスの植民地だったんですねー。(20世紀半ばまでは独立国でもなかった。)まぁ未だに北アイルランドはアイルランド共和国に戻ってきてないので、現在進行形での戦いなわけですが。 そう、今もって決着の付いていない問題なのです。 ってことは、映画のラストも・・・ ハッピーエンドとは程遠いやるせない結末でした。 でもね、これでもかと悲惨なシーンを描き、悔しさでスクリーンを滲ませながら、“平和”を強く感じずにはいられなかった。上手く言えないんだけど、全くハッピーエンドじゃないのに見終わった後の気持ち悪さがなかった。なんていうか、この映画は、観る側に考えることを促してるからなんじゃないかと。戦争とは?平和とは?映画を観ることで正面からこの問いかけに立ち向かわなければならなくなる。そうして、こういうことを考えるということは一縷の希望に成り得るのではないか、ざっくり言っちゃうとそう感じました。 医師を志すデミアンはアイルランドを出てロンドンの病院で勤務しようとしていましたが、イギリス軍に立ち向かうべく蜂起した義勇軍へ入り、戦いの中に身を投じていきます。 多くの仲間を失い、悲しみを背負いながらもアイルランド独立戦争は収束へ向かい、イギリスとの講和条約を結ぶに至ります。しかしその内容は、完全な独立ではなく北アイルランドはイギリスに帰属するという、自治国という扱いだったのです。 本来目指していた独立とは程遠い結果に納得できないデミアン。しかし義勇軍のリーダーであるデミアンの実兄テディは「とりあえずの独立」として受け入れろと諭します。 ここから、独立戦争以上の犠牲者を出したアイルランド内戦が始まるのです。 条約を受け入れるとする側と完全な独立を主張する側とに別れ、かつて共に戦った仲間同士が殺し合う悲惨極まりない内戦。デミアンとテディも相対する考えゆえ戦いの波に再び飲まれて・・・点点点。 こんな苦しい映画は久々に観ました。どのくらい苦しかったかって言うと、午前中行って来た歯医者さんで治療してもらった奥歯をぐりぐり噛みしめて、右手の甲には左手の爪を食い込ませた後がしっかり残ってるくらい。 しかし本年度パルムドールだぞ?どうしてもっと大きな映画館でやんねーんだよ。全国くまなく回れよ、この野郎。そんな悔しさも残る映画。 まー、アイルランドって苦い国ですよ。ノルマン人に攻撃されるわ何百年とイギリスの植民地だわ、じゃがいも飢饉で食うもんないわ(ちなみにJFケネディは飢饉の際アメリカに渡ったアイリッシュの子孫なんだよー。マメ知識)。白人が白人を奴隷にするって、歴史上ここしかないからね。 この映画は観るべき映画だと思います。機会があったら是非!!!! ・・・あうー、これから沖縄トリップの支度しなきゃ・・・
by coffee-cigarette
| 2006-12-01 21:36
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プロフィール
名前:青猫 性別:女子
血液型:B 趣味:音楽鑑賞、妄想 好きな男性:木下理樹、ルパン3世 東京にて宅配ヘルスを生業とする2○歳。 最近映画の話が多いです。 嫌いな季節になってきましたが、フェスが待ってるので仕方ありません。 カテゴリ
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